2012/05/07

食べていける翻訳者(会社)とそうでない翻訳者(会社)

GWも終わりました。現実世界に戻りましょう。

翻訳は上手なだけではだめです、というお話をします。

私が存じ上げているバイリンガル翻訳者さんは大変翻訳がお上手です。しかしフリーランス翻訳者だけでは生計が成り立たないので会社員と兼業をされています。

私は独立当初、フリーランス翻訳者でしたが、当時は、翻訳は下手でした。その当時、私は翻訳に向いてないのかもしれないと悩んでいました。ただ、翻訳を好きだという気持ちだけで自分を奮いたたせていた記憶があります。

そんな私ですが、幸運なことに、独立後1年目からフリーランス翻訳者としての収入だけで生計を立てることができました。独立する前はアルバイトとの掛け持ちが必要だと覚悟をしていました。元ホテルマンですので、どこかのホテルでバイトを探すつもりでした。多分フリーランス翻訳者としての収入 だけでは生計が立たないだろうから副収入が必要だと想像していました。

理由は分かりませんが、当時、私を使ってくれた翻訳会社がありました。このクライアントは、私が会社員をしているときから仕事を頂いていました。会社員を辞職し、専業翻訳者になったらアルバイトを探す暇なんてないぐらい仕事を頂きました。ただし、毎回、ボロクソ言われました。フィードバックというかクレームだらけでした。これだけ文句があるなら他の翻訳者に依頼すればいいのに、なぜ私に依頼するのか全く理解できませんでした。でも仕事は途切れることなく舞い込んできました。

1年目、この翻訳会社さんからの仕事だけで年間400万円ぐらいになっていたと思います。このクライアントがなければ年商200万円程度ですから、やはり副業がないと食べていけなかったと思います。2年目は多分700万円ぐらいの仕事を頂いたと思います。この翻訳会社さんからの仕事は断りませんでした。とにかく全て受けました。翻訳料金も安いし、使い勝手が良いいと思われたのかもしれません。

翻訳者(会社)は翻訳が上手なだけでは独立できません。翻訳は大変お上手だが独立できない翻訳者が大勢います。逆に、下手でも仕事さえあると独立が可能です。

私の場合、「翻訳がうまくなった、みんなに認められたから独立した」というより、「翻訳は下手だし、誰からも認められなかったけど、使ってくれるクライアントがあるから独立できた」でした。

翻訳会社としても全く同じことが言えます。仕事がないとやっていけないのです・・・。

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