2021/04/30

トライアルに不合格になる方の共通点

もう会社を16年もやっていますので、その間、多くのトライアルをご受験いただきました。そして多くのトライアルの採点をさせていただく機会に恵まれました。その経験の中で、トライアルに不合格になる方の共通点が分かってきました。それについて書いてみようと思います。

共通点1:募集要項をお読みにならない(募集要項に満たしていない、件名が違う、応募書類が揃っていないことが一番多いです)。
共通点2:メールに返答がない。トライアルをお願いするに当たってメールにてお願いするのですが、そのメールに返答がない。
共通点3:トライアルの締め切りに遅れる。

共通点を3つ挙げました。我々の場合、3つのうち1つでも該当する場合、統計上、不合格になる可能性が高まるようです。1つでも当てはまると自動的に不合格になるわけではありません。最後に合否を決めさせていただく時点で、振り返ってみると1つ以上当てはまっているケースが多いという意味です。

これらの共通点が実際にお仕事ではどのようになるかを考えてみました。

共通点1:募集要項をお読みにならない方は、お仕事をお願いしていも指示すら読まないことが容易に想像できます。応募書類が揃っていない方は、納品物も足りないことになるでしょう。
共通点2:受領メールがない方は、純粋にビジネスマナーが欠けていると思います。
共通点3:締め切りに遅れるのは、論外です。

上のの共通点2ですが、追記いたします。特許翻訳という性質上、キャリアとしては、エンジニアさん、研究員さん、特許事務所の所員さん等を考えることができます。それらの方々は、サラリーマン時代、お客さんとメールをやり取りしたり、電話で対応するといったコミュニケーションを図る機会が少なかったかもしれません。だから受領メールを送るという基本的なビジネスマナーを実践する機会がなかったかもしれません(もし事実だとしたら大変不幸なことです)。特に我々の場合、翻訳するテキストは、特許明細書です。お客様の知的財産権が存在する機密性が極めて高い情報です。受領メールを送らなくてもいいだろうとお考えになる方にはお仕事は依頼できません。

注:特許事務所の所内翻訳者さんの中には、中間処理の対応も行っている場合があります。その場合は、クライアントとコミュニケーションを頻繁に取っていらっしゃると思います。

コミュニケーションと取るという点ですが、特許事務所にお勤めの場合、弁理士さん、事務担当者さんは、お客さんと電話やメールでやり取りしたりする機会は日々あるでしょう。しかし特許事務所の所内翻訳者さんは、直接クライアントとコミュニケーションを図る機会がほぼ奪われてしまいます。ちにみに私は、最初に務めた事務所では、3年間で、クライアントと直接コミュニケーションを取ったことは1度もありませんでした。これは特異な状況だったかもしれませんが。

この状況でプロ翻訳者になることは無謀です。翻訳の仕事をする前に、ビジネスマナーを身に付けるところから始める必要があります。

我々は、ご応募の合否を課題の解答だけで決めておりません。ご応募いただいたところから評価を開始しております。