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2016/09/28

2500ワード/日のなぞ

本日、同業者さんとお話をしていた。

ビジネスライクな話をわりと静かに1時間程度していたが、お互いに急に声のトーンが上がったのが「翻訳者は月間処理量5万ワードを超えると急に品質が下がる」という話題である。

計算は合わないが「翻訳者は1日の処理量2500ワードを超えると急に品質が下がる」という話題も盛り上がった!

それから品質管理のために「1日8時間以上翻訳させてはいけない」という話題も盛り上がった!

さしずめ野球なら「投手は100球を超えると急に球威を失う」だろう。

後者の場合は、しっかりした統計があるので間違いないと思うが、前者に関しては、統計はない(と思う)。統計はないが、僕は長年の勘でこの数字は正しいと思っています。

我々にご応募いただく在宅翻訳者さんの中には「月間8万ワード処理している」ことを履歴書に書いてくる方がいらっしゃるが、実際にお願いして、社内チェックするとボロボロである。ご本人は出来ているつもりだろうが、我々がチェックすると抜け、誤訳、変換ミスだらけである。この翻訳者さんは月間5万ワードを保てばもっとお上手な翻訳ができるのに残念だ、と思うことがある。

野球でも100球を越えたところでピッチングコーチがマウンドまで行ってどうだ?と尋ねるとまだまだ投げれますという返答が頻繁に返ってくるそうだ。本人はまだまだ大丈夫だと思っているのだが、スピードガンの計測では確かに速度が落ちている。キャッチャーも球威が落ちていると言う(まぁエースピッチャーが自分から「代えて下さい」とは言いにくいだろうけど・・・)。

翻訳の話だが、品質向上のためには、様々なツールを使うのは勿論、1日の労働時間は8時間にする、ランチ休憩をしっかり1時間取る。食事は3食取る。睡眠時間は8時間取ることも大切です。

品質管理と睡眠時間との間に関係はないのでは?とお思いになるかしれないが、大いに関係あります。

作業を行っているわけですから、労働環境も影響をおよぼします。内的要因と外的要因とが影響を及ぼすことになります。

ですので25000ワードの明細書を翻訳するには、25000ワード÷2500ワード/日=10日ですので、10日必要です、と翻訳者が返答してきた場合、それなりの翻訳が仕上がってくると思います。

*実際、10日も日数をかけられない急ぎ案件というものも存在しますので、つらいところです・・・。

2014/06/22

ワークフローステップとは?-003



我々は翻訳システムとしてMemsource Cloud を導入しています。このシステムには、プロジェクト管理機能と、トランスレーションメモリと、用語集とが統合されています。

このシステムを使用しているのはDirector of CTUの私です。

各翻訳者は、社内翻訳者であろうと、社外翻訳者であろうと、Memsource Editorを使用しています。このEditorを社内社外とも使用することにより翻訳作業がシームレスに流れることになります。

翻訳作業を具体的にご説明します。

翻訳作業は、複数のワークフローに分けられています。通常、以下の4ステップに分かれています。


  1. 翻訳者ワークフロー
  2. チェック用ワークフロー(1)
  3. チェック用ワークフロー(2)
  4. 納品ワークフロー


このように翻訳を段階的にワークフローに分割することにより、システマチックに翻訳を行うことが可能になります。

上の例では、4名が関与していることになります(翻訳者1名、チェック2名、最終チェック確認者1名)。

システマチックに翻訳ワークフローに分割する利点は、なんと言っても、その品質管理でしょう。

1つの案件に複数名がシステマチックに関与することにより厳格に品質が管理できます。

数字のチェックのような単純作業は、同一システムが自動的に行います。クライアント様ご指定の用語が使用されているかのチェックも同一システムが自動的に行います。

なおワークフローステップは増減させることが可能です。通常チェックは2回行っていますが、1回で良いというクライアント様にも対応可能です。お値段をお安くできます。

以上のような翻訳+チェック2回を行った場合、

日英:15円/文字
英日:25円/ワード
(税別)

で知財翻訳をお引き受けいたしております。

お問い合せは、以下からお願いいたします。

info+blog@mktranslationfirm.com
担当:Director of CTU 梶木
http://www.mktranslationfirm.com/

ワークフローステップとは?-002



我々は翻訳システムとしてMemsource Cloud を導入しています。このシステムには、プロジェクト管理機能と、トランスレーションメモリと、用語集とが統合されています。

このシステムを使用しているのはDirector of CTUの私です。

各翻訳者は、社内翻訳者であろうと、社外翻訳者であろうと、Memsource Editorを使用しています。このEditorを社内社外とも使用することにより翻訳作業がシームレスに流れることになります。

翻訳作業を具体的にご説明します。

翻訳作業は、複数のワークフローに分けられています。通常、以下の4ステップに分かれています。


  1. 翻訳者ワークフロー
  2. チェック用ワークフロー(1)
  3. チェック用ワークフロー(2)
  4. 納品ワークフロー


このように翻訳を段階的にワークフローに分割することにより、システマチックに翻訳を行うことが可能になります。

上の例では、4名が関与していることになります(翻訳者1名、チェック2名、最終チェック確認者1名)。

システマチックに翻訳ワークフローに分割する利点は、なんと言っても、その品質管理でしょう。

1つの案件に複数名がシステマチックに関与することにより厳格に品質が管理できます。

数字のチェックのような単純作業は、同一システムが自動的に行います。クライアント様ご指定の用語が使用されているかのチェックも同一システムが自動的に行います。

なおワークフローステップは増減させることが可能です。通常チェックは2回行っていますが、1回で良いというクライアント様にも対応可能です。お値段をお安くできます。

以上のような翻訳+チェック2回を行った場合、

日英:15円/文字
英日:25円/ワード
(税別)

で知財翻訳をお引き受けいたしております。

お問い合せは、以下からお願いいたします。

info+blog@mktranslationfirm.com
担当:Director of CTU 梶木
http://www.mktranslationfirm.com/

ワークフローステップとは?-001





我々は翻訳システムとしてMemsource Cloud を導入しています。このシステムには、プロジェクト管理機能と、トランスレーションメモリと、用語集とが統合されています。

このシステムを使用しているのはDirector of CTUの私です。

各翻訳者は、社内翻訳者であろうと、社外翻訳者であろうと、Memsource Editorを使用しています。このEditorを社内社外とも使用することにより翻訳作業がシームレスに流れることになります。

翻訳作業を具体的にご説明します。

翻訳作業は、複数のワークフローに分けられています。通常、以下の4ステップに分かれています。


  1. 翻訳者ワークフロー
  2. チェック用ワークフロー(1)
  3. チェック用ワークフロー(2)
  4. 納品ワークフロー


このように翻訳を段階的にワークフローに分割することにより、システマチックに翻訳を行うことが可能になります。

上の例では、4名が関与していることになります(翻訳者1名、チェック2名、最終チェック確認者1名)。

システマチックに翻訳ワークフローに分割する利点は、なんと言っても、その品質管理でしょう。

1つの案件に複数名がシステマチックに関与することにより厳格に品質が管理できます。

数字のチェックのような単純作業は、同一システムが自動的に行います。クライアント様ご指定の用語が使用されているかのチェックも同一システムが自動的に行います。

なおワークフローステップは増減させることが可能です。通常チェックは2回行っていますが、1回で良いというクライアント様にも対応可能です。お値段をお安くできます。

以上のような翻訳+チェック2回を行った場合、

日英:15円/文字
英日:25円/ワード
(税別)

で知財翻訳をお引き受けいたしております。

お問い合せは、以下からお願いいたします。

info+blog@mktranslationfirm.com
担当:Director of CTU 梶木

2014/05/07

翻訳の品質管理方法(1日の上限を設ける)

翻訳の品質管理(QA:Quality Assurance)に関して書きます。

翻訳ソフトにもQA機能が実装されているので、数字の抜けや誤りは、ソフトに任せれば良いと思います。

指定の単語が使用されているかは同じくソフトにチェック機能が実装されているのでソフトに任せれば良いと思います。

後は、人間の目でチェックする方法を採用すれば良いと思います。

つまり、PCが得意とする単純チェック作業はPCが行えば良いし、人間しかできないような細かいチェックは人間が行えば良いと思います。この組み合わせがQAの基本姿勢だと思っていました。

それに加えて、最近気づいたことがあります。

翻訳ワード数(文字数)の一日当たりの上限を設けることです。

2500ワード/日

8時間勤務だったら、312.5ワード/時なので、1~2ページぐらい?勿論、分野にも左右されるでしょうし、あくまでも平均です。

よく「難易度が高い」と言われますが、どうやって判断すれば良いかと言うと、ご自分の1日の平均翻訳単語数を下回るテキストは、「難易度が高い」と言えると思います。

2500ワード/日達成のために仕事中はラインはしません!
4000ワード/日とか5000ワード/日とかでも翻訳を行うことができる翻訳者さんがいらっしゃることは存じ上げていますが、あえて1日の上限を設けることに意味があると思います。

私の経験から行って、2500ワード/日を超えると急に品質が低下します。野球でいうと100球を超えたあたりから球威が落ちることに似ていると思います。

2500ワード/日というのは少ないような気もしますが、毎日コンスタントにこのペースを維持できるのはプロでないと難しいでしょう。

2500ワード/日というのは、月~金までの5日間の勤務で、2500ワード×5=12500ワードです。4週間/月として、12500ワード×4=5万ワードです。5万ワード/月か・・・。やはりプロ(またはそのクラス)でないと無理という気がしますが、どうでしょうか?

2000ワード/日でもいいかもしれませんね。ちなみに同じ計算式を使うと、2000ワード/日では、4万ワード/月です。

あまりにも生産性が低いと商売になりませんが、かと言ってあまりにも厳しいノルマを課すと品質低下が心配です。

ですので、「PCの作業」、「(複数の)人間の作業」、「1日の上限」の組み合わせがより良い翻訳を生み出す秘訣かもしれません。

ただし社内翻訳者さんは翻訳以外の業務がある(会議とか業者との折衝とかブログを担当している方もいるはずです)ので、なかなか翻訳だけに集中できないことは分かっています。当然、1日の上限に達しない日もあるでしょう。

我々もより良い翻訳を生み出す秘訣みたいなものを探し求めています。もしご存じの方がいらっしゃったら是非ご指導下さい。

HP (JP): http://www.mktranslationfirm.com/
HP (EN): http://mktrans.jimdo.com/
クラウド翻訳システム: http://cloudtranslationtechnology.wordpress.com/
twitter: @mktrans_news

2013/11/18

社内翻訳者を重視する方針に変更しました

久しぶり(?)に経営的なことを書きます。

9月から社内翻訳者重視の方針に変えました。今までは在宅翻訳者依存型でした。変更した理由は、円安が続いているので海外で翻訳するとコストが下がるというメリットがなくなったことと、営業を強化している中、社内翻訳者がいるかどうかを質問されることも増えてきたのでそのようなクライアント様に対応するためです。

現在、社内翻訳者は2名です。1名は、元通訳学校講師(私が昔通った学校の講師をされていたそうです!)、元知財翻訳会社の社内翻訳者、もう1名は、弁理士試験合格者です。お二人のご活躍を期待したいです。

かと言って、フリーランサーさんにもお願いしないととてもじゃないけど社内翻訳者だけでは全ての翻訳案件を処理できません。今まで通りお仕事をお願いすることについては変わりありませんが・・・。

来年には、翻訳者は最大で5名ぐらいには増員したいと考えています。詳細はまだ公表できませんが、CTUという翻訳者のユニットをスタートさせようと考えています。

2013/09/02

なぜ翻訳者さんの翻訳には抜けがあるのか?

翻訳者さんの翻訳には抜けがある。絶対にある。どんな大ベテランのプロの翻訳者さんにも抜けがある。著書もあります、翻訳学校で講師を勤めていますといったベテランの翻訳者も抜けがある。抜けのない翻訳はない。もう一度言う。

「抜けのない翻訳はない。」

これだけ技術が発展して、エラーを回避する方法が無数にある。参照符号の抜けを探し出すマクロがある。段落番号を自動で生成してくれるマクロもある。数字が正しくターゲットにコピーされているかどうかを調べるマクロがある。トランスレーションメモリを使用して翻訳する際は、翻訳しやすいようにセグメントを最小限化できる。その他様々なマクロやソフトが市販されている中で、なぜ「抜け」が発生するのだろうか。

理由は様々だろう。思いつくままに書いてみる。

  • マクロが正しく動作しなかった。
  • チェック用のソフトを正しく操作しなかった。
  • 目視で見逃した。
  • 老眼のため見えなかった。
  • 妻や恋人と喧嘩した後だったので正常心でチェックできなかった。
  • 翻訳を自分でやってチェックも自分でやっているので、そもそもチェックとは言えないチェックを行っていた。
  • 翻訳作業をしている部屋で子供が野球のバットスイングを始めた。危なくて気が散ってチェックが進まなかった(妻や恋人がダイエットのエクササイズを大音量の音楽とともに始めたというケースもある)。
  • お出かけの約束の時間が迫っていたのでチェックがおろそかになった。
  • 体調が悪く、チェックというか翻訳自体も無理だった。
  • 翻訳テキストの量が多かった(15万ワードぐらい)ため、後半の段落を翻訳している頃には最初の段落の話の筋なんてすっかり忘れてしまっていてチェックどころか、全体像すら見えてこなかったので抜けだらけになった。
  • 理解できないテキストだったので翻訳自体が苦痛以外のなにものでもなく、最終的にはこの仕事を振ってきた翻訳会社の担当者が悪いと思いだし、やる気もうせてしまったため抜けだらけになった。
  • そもそも性格的に特定の仕事に集中できないので後半だけと言わず冒頭も中盤も抜けだらけだった。
  • 仕事に対して真摯に取り込めない(翻訳作業中お酒を飲んだりする)性格なので抜けが大量発生した。
  • 飼っている犬が散歩に連れて行けとせわしなくせがんでくるのが面倒臭いがしょうがないので連れて行った。すると友人と出会ってしまってそのまま数時間に渡って居酒屋で時間を浪費した。帰宅した頃にはテンションがなえてしまって翻訳どころではなくなっていた。このローテンションで作業を嫌々続行したため自分でも情けないぐらいひどい翻訳になったしまったにもかかわらずチェックは翻訳会社がすればよいとうそぶいた結果、やはり抜けだらけだった。

翻訳会社のチェック担当者は翻訳には必ず抜けがあるのでそれを探し出すことがライフワークであるという人もいる。

どんな大ベテランが翻訳しようが上のようなチェック担当者にかかれば1つや2つは抜けが出てくるものだ。

ただし確率で言うと、1万ワードの翻訳で2ワード分抜けがあっても、抜け率は、「2/10000」=0.02%である。人間の作業として許容範囲と言えるかもしれない・・・。

納品する前にもう一度チェックしても無駄です。どんなマクロやソフトを使おうがチェックはやはり他人がしないとチェックとは言いません。