2012/09/28

辞任とか解任とか引退とか

プロ野球などがシーズン終了に近づくと辞任とか、解任とか、引退に関する記事が載る。今朝も関西の有名チームの選手の引退の記事が出た。自ら辞める道を選ぶことはプロ野球では珍しい。殆どの場合、首になって野球選手生命が終わる。首の場合、選手だけではなくて監督さんも首になる場合がある(監督の場合は普通、「解任」という言葉を使う)。試合前に突然呼び出されて解任されるかもしれないし、事務所の応接間で話し合った後、公式発表とともに解任されるかもしれない。ベストな解任のタイミングなんてない。あるのは解任されるという事実だけだ。殆どの場合が成績不振で解任されるのだし、解任される人に対して大した配慮はしない。契約社会ってこんなものだろう。

解任、解雇、首、いろいろな言い方があるが、もうその組織の人間ではなくなる。

僕は独立する直前の特許事務所は辞めさせられた。そして今の会社を作った(所謂、「脱サラ」)。僕はそのとき、もう一生分サラリーマンはやったし、金輪際二度とサラリーマンをやらないことを誓った。

ちなみに僕は応接室みたいなところで契約を延長しないと告げられた。これからどうする?と尋ねられたが「独立します」と答えた。

僕は辞めさせられて成功した方なので今は別になんとも思わない。特許事務所に勤めていてもサラリーマンとして一社内翻訳者でしかなかっただろうし。それでは現在の活動ができない。

今は毎朝、好きな時間に起きて、毎日自分の事務所に通勤して、夏は半パンで通勤して、翻訳者を採用して、新規開拓して、東京とか出張に行って、ときどき講演とか依頼していただいて、好きな時に家に帰って(お腹空いたら家に帰ることが多い)、好きなだけ本を会社の経費で購入して、ブログとか書いちゃって、どこかで聞いてきて面白そうだなと思うことは即やってみて(9割失敗するけど)、やりたいことは全部やれる。今の生活がいい。

こんなストレスフリーな生活はない。

今が第二の人生なのか、その後に第3の人生があるのか分からないが、第1の人生のときより充実している。第3の人生は、第2の人生より充実してたらいいな・・・。

今年で現役生活を終える野球選手が第2の人生で更なるご活躍をされることを心からお祈りしています。

2012/09/26

件名:国慶節休暇のお知らせ

そう言えば中国の翻訳会社さんとか特許事務所さんから9月30日~10月8日の間は国慶節休暇なので休みですのでよろしくお願いしますのようなお知らせメールが来てる。絶対にこの期間は仕事しませんのでメールも電話もファックスもスカイプもしてこないでくださいみたいなメールもある。

時期忘れたけどインドの翻訳会社からは、お祭りのため営業してないと言われたことがある。

しかしアメリカとかイギリスの取引先とか翻訳会社さんから1週間ぐらい休みますというお知らせメールもらったことないがない(ような気がする)。イースターとかクリスマス休暇のため事務所閉めますのようなお知らせもらっても不思議じゃないけどもらったことないな~。

日本にはゴールデンウイークとやらがある。メーカーさんは10日間休みとか取られるみたいだ。

ただし知財関係の会社(特許翻訳会社とか特許事務所)はGWもカレンダー通りしか休まない。これは特許庁が公官庁のためカレンダー通りしか休めないからだと思われる。

僕が特許事務所に勤めていたころGWはメーカーさんから電話がかかってこなくなったので事務所中がし~んとしていたことを記憶している(特許事務所は基本的にし~んとしている。電話だけがその静寂を切り裂く)。だけど図面会社さんとか調査会社さんはどうなんだろう。あんまりお付き合いがないので知らない。

知財関係でもフリーランサーさん(翻訳者さんとか)は、GWだろうか年末年始だろうが働いてらっしゃる方は大勢いるだろうけど。

2012/09/22

大阪の特許業界での都市伝説・・・。

大阪の特許業界に存在する都市伝説について書きます(本当に都市伝説のレベルなので事実かどうかは分かりません)。

請求項において、「on the basis of(~に基づいて)」と記載したところ、英語が第1言語ではないアメリカ審査官が「on the basis of の「the basis」の「basis」に対するantecedentがない」という理由で拒絶した(所謂"lack of antecedent basis")、というものです。

あくまで「on the basis of」という熟語なので「the」だけを切り離して考えることはできない。つまり、antecedentの問題でない。

しかしこの拒絶の後、大阪の特許業界には、「on the basis of」をやめて「based on」を使うのが正しい」という都市伝説が生まれた・・・。

私は実際に当該拒絶理由通知書を見たことがないので、都市伝説なのか事実なのかは分かりません。

実際にご覧になったことがある方いらっしゃいますか。


*文法的には、「on the basis of」は副詞なので、動詞を修飾する。「based on」は形容詞なので名詞を修飾する。区別できないと、「~に基づいて~を行う(動詞)」なのか「~に基づく~(名詞)」なのか判別できなくなる。

例)

A transmission units transmits a first signal based on the determination.


  1. 送信部は、判定に基づいて第1信号を送信する。
  2. 送信部は、判定に基づいた第1信号を送信する。


1なのか2なのか一見したところ区別ができない。こういう場合の解決方法を以下に示す。


A transmission units transmits a first signal on the basis of the determination.


  1. 送信部は、判定に基づいて第1信号を送信する。


A transmission units transmits a first signal based on the determination.

  1. 送信部は、判定に基づいた第1信号を送信する。
上記のようにすれば区別して書くことができる。


2012/09/20

件名:【至急】翻訳依頼

件名のところに【】付きで【至急】翻訳の依頼、みたいなメールを頂戴することがある。依頼内容を拝見するとかなりお急ぎのご様子。

大急ぎで原稿を確認して目ぼしい翻訳者に当たるだけあたって、ご要望の納期に間に合うのかそれとも間に合わないので納期に遅らせていただければ翻訳は完了しますのような返答をお送りする。

実はこういうご依頼に限って、依頼主からの返答が遅い・・・。

恐らく、複数の翻訳会社とか翻訳者に依頼メールを送って、できまるよという返答が来たので安心して他のメール送信先にことをお忘れになってしまわれるのだろう。

こちらは慣れっこなので別に構わない。24時間経過後、スケジュールボードには「Released」と書き入れる。決して「Cancelled」とは書き入れない。「Released」と「Cancelled」は意味が違うので。

本日はこういうブログ記事にしたのは、他社さんだったら一体どれぐらいお待ちになるのかな、と思ったからだ。

僕は、事務所のProject Managerとして、【至急】の案件だったら依頼を受け取ってから24時間ぐらいは、【至急】(スケジュールボードには「Urgent」と記入)のステータスは維持するかな・・・。それで24時間経っても依頼主から返答がない場合は「Released」としちゃう(もうちょっと待つか・・・)。

これが復活して実ジョブになったことは1回だけあったかな~と思う。6年間で1回だからゼロと考えて間違いないだろう。

依頼主さんに対しては、例えば、「本日18時までにお返事を頂戴しないとご希望の納期は間に合いませんので、お早目にお返事を」的なメールを途中で出したりもするか。

以上は、依頼主さんと弊社の問題だが、まだ残っているのは打診だけした翻訳者さんに対してだ。僕は「本日打診いたしました案件ですが、本日のxx時まで依頼主様からご返答がございません」のような必ず途中経過のメールを送る。恐らく翻訳者さんは「あ~だめっぽいな」みたいな感じで「ご丁寧にメールありがとうございます。決まりましたら是非ご連絡をお待ちしております」のようなメールが返ってくる(返って来ないケースもある)。

僕がホテルマンだったころ、飛行機のディレイが発生して、空港の航空会社の事務所からお客さんを緊急で宿泊していただくための客室を50室探しているのだが、御社は空いてますか、のような電話を何度も受けた(ホテル用語で「イマージェンシー」とか「ディレイ」とか言う)。

その時点での取れる客室数(ホテル用語で「アベイラブル」と言う。英語では「availability」だが)をお伝えする。ここで大切なのは電話口の担当者さんの直通の電話番号を聞いておくことだ。航空会社の担当者はこういう場合、複数のホテルに同じ内容の電話をしているので、客室が確保できると分かると、その他電話したホテルには断りの連絡を入れ忘れるのが多いのである。だから適当な時間が経ってからその後の状況を確認するため担当者の直通の電話番号を聞いておくのである。

空港事務所の電話番号を聞いただけではだめである。なぜなら空港事務所はある時間になると自動的にクローズになってしまうので、連絡が取れないのである。


もし50室分の宿泊客が夕方に突然増えると、レストランの翌日の朝食の食材が足りなくなるので、宿泊部はなんとしても宿泊があるのかないのか責任をもって確認しなければならない。50室分増えてしまうと恐らくベルボーイは最低1人は泊まり残業になるだろう。

まぁホテルの仕事も楽しかったね~。今考えると。


僕は以前、急ぎだと言ったのでこちらは色々な手をまわしたのに断りの連絡さえ入れてこない。失礼な客だ!と思ったことがあるけど、回数をこなしていくうちに、こちらも時間を定めてその時間を過ぎてもご連絡がない場合はご希望の納期には間に合わないとか、自動的にキャンセルさせていただく(実際は、「リリース」だけど)とかは、翻訳会社側から依頼主さんにお伝えしておくのがプロだ、と思うようになった。

ただしがくっとくるのはPDF原稿しかなくて(さらにダメージが大きいのはファックス原稿しかなく、文字が粗すぎてOCRも通らない場合)それも図とか表とか一杯あるので、文字数をカウントするのが結構大変で、それでもなんとか見積もりを出した急ぎの問い合わせに返答が一切ないことである・・・。

連絡してよね。

2012/09/19

イノベーションとは?

ピーター・ドラッカー曰く「企業にはイノベーションが必要である」。

企業にとれば稼ぎ頭の事業をさておいて、次に到来するであろう事業に資本を投入することは難しいかもしれないが、それなくしてイノベーションはない!

翻訳会社にとれば、主力商品である翻訳に対する資本投下を止めて、機械翻訳に資本投下を集中させることか、はたまた翻訳事業に対する資本投下を止めて、ポストエディットに資本投下を集中させることか、日英翻訳を止めて、日中翻訳を始めるとか・・・。

2012/09/17

翻訳会社は法人としてSNSをどう使うのか

今日は、単なるつぶやきです。読み流してください。

先日、あるセミナーに出席して、考えさせられたことがある。

クライアントにSNSを禁止までは行かないが、ほぼ使用を控えるように依頼されることがある。

企業のマーケティング方針に他者が口を挟むことは無理がある。ただし自主的にSNSを勤務中に禁止するのは自由だ。データ漏えいの危険性があるので、SNSを勤務中に禁止するのは理解できるが、従業員がSNSで一日中遊んでいるから禁止するというのは全くの論外である。その遊んでいる従業員を排除すれば良いだけの話だ。

SNSはマーケティング・ツールであり、テスト・マーケティングを行うことができる場でもあり、宣伝広告費を削減できる手段でもある。

「個人情報の保護」に関して、各企業は取決めをしているし、HP上に方針を掲載して、かつ担当者さんの名前まで書いているが、SNSに関しても取決めを公表すべきではないか。私がざっと見たところ、SNSに関する方針をHP等に掲載している翻訳会社はゼロに等しい(他業種では掲載している企業はある)。

はたして翻訳会社が登録翻訳者に対して、翻訳作業中はSNSに接続しないでくれと指示できるのか?翻訳者さんにとってもパーソナル・ブランディング上SNSは重要なツールのはずだ。情報収集をするためにもなくてはならないものだろう。上の遊んでいる従業員の例と同じで、機密性がある文書の翻訳の質問をSNSに掲載しているのは論外だ。発覚すれば責任を負わせば済むことだ。

たしかに個人情報の漏えい等、SNSの危険性ははっきりと認識しているが、世界中で数億人が利用しているSNSを利用しない手はない。ポテンシャルが高すぎて無視できない。SNSを使用している企業の大半は危険性に関して見切り発車しているのが現状だ。

2012/09/11

エンドユーザーさんの景気と翻訳料金

現在、日本の家電メーカーさんは経営に苦労されているようだ。

当然、そういったメーカーさんが出願人となる外国出願用の翻訳では、単価が下がる。

先日、営業に行った特許事務所の所長さんは、「うちは家電のクライアントいませんので、料金は提案の料金通りで結構です」みたいな話しをされた。

翻訳単価を確保したければ家電以外の外国出願を扱っている事務所へ行け、となる(逆に、家電がメインクライアントである事務所へは行くな、になるか?)。

ただしこれは単案件での話し。

月間10件(または年間数百件)の翻訳依頼するから出願人は家電以外だけど値引きして、みたいな話しは無論ある。

2012/09/02

9月1日から新年度開始

とうとう8月も終わった。夏が去った。ある種のさみしさを感じる。僕が一年のうちで活発に動けるのが7月と8月の2カ月だけなので残りの10カ月は動きが悪くなる。

とにかく9月が始まった。新しい会計年度のスタートだ。

前期は、売上目標は達成はできた。新たなクライアントも獲得できた。その反面、できなかったことも沢山ある。未読の状態で机の上に放置された、約10冊の本なんてその例だろう。

まずそれから片付けようかな。気持ちを新たに9月から頑張ろう。前進あるのみ。

9月からやってみたいこと:

電気自動車を借りてみようかなと思ってます。電気自動車なんて乗ってみたことないけど。最近は、駐車場に乗り捨てられる電気自動車があるみたいです。1時間単位で料金をお支払いするようだ。ガソリン車のようにガソリンを満タンにして返却する必要はないそうなので、検討してみたい。事務所の近くにその駐車場が2か所もあるしね。ただし基本、営業は自転車または地下鉄なのでそんなに利用しないと思うけど。

ちなみにホームページのURLが変更になりました。

新) http://www.mktrans.jp

旧) http://www.mktranslationfirm.com