2012/04/11

ホテルビジネスと翻訳ビジネスの共通点

ホテルビジネスと翻訳ビジネスの共通点は、人件費率の高さである。

僕は元ホテルマンだった。大阪のホテルが一時期バタバタと倒産に追い込まれたり、オーナーが変わったり、買収されたりしたことがあった。原因は様々だが、人件費率の高さが経営を圧迫したと言われている。

当時は、フロントレセプションの年収が1000万円に近いホテルもあったらしい。20年前の話しだけど。当然このホテルはつぶれた。

当時、ホテルでは、フロントレセプションは現金を取扱うので、大卒の社員でなければならないと言われていた。今、そんなことを言うホテル経営者はほとんど皆無だ。むしろ、ほとんどのホテル経営者は、正社員、契約社員、外国人留学生等のアルバイトをうまく配分するのがいいのだと言う。先日、利用した老舗系列ホテルでチェックアウト業務を機械化していたのはさすがに驚いた。

翻訳業界も似たことが言える。日本やアメリカなどの先進国在住の、人件費が高いネイティブ翻訳者だけを起用しても翻訳会社の経営は成り立たなくなりつつある。

翻訳会社は、人件費を削減するために様々な取組みを行っている。例えば、アジアのベンダーさんを使う。アジアの翻訳者を使う。機械翻訳を使う。TMのリソースをうまく再活用する等。ネイティブはチェックだけを行うなんてのもありだ。これらをうまく導入したり、組合わせて活用することにより、品質を維持しながら経費を削減するたゆまぬ努力を行い、ノウハウを蓄積し、生き残りをかける。

バックオフィス業務(データ変換、TM作成、DTP)なんかは海外のベンダーに依頼する。社内作業と外注とをうまく配分するのがいいみたいだ。

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