お客さんとか同業者さんとお話していると大手翻訳会社の品質が悪いという評判を頻繁に聞きます。必ず聞きます。僕だけではないと思います。その理由を完璧に説明いたします。
大手翻訳会社さんは生産規模が非常に大きいという実力をお持ちです。1つのクライアントに対して月間100件とか200件とか(ワード数で言うと、100万ワードとか200万ワードとか)の翻訳を提供しています。
比率から言えば、100件中1件(つまり1%)の翻訳の質がたまたま悪いと、「悪い」ということだけが独り歩きし始めます。99%の翻訳は質は悪くありません。
これが「大手翻訳会社の品質が悪い」と言われる理由です。従って、月間100件程度翻訳を提供されている大手のクライアントが大手の翻訳会社に関して「質が悪い」と言った場合、大半の翻訳の品質は悪くありません。
大手ではなく中小の翻訳会社に関して「質が悪い」と言った場合、その中小の翻訳会社は全体的に質が悪いかもしれません。100件のうち1件が低品質であれば、低品質度は、1%ですが、20件のうち1件が低品質であれば、低品質度は、5%に跳ね上がってしまいます。
我々は、とてもではありませんが、1つのお客様に対して月間100件の翻訳を提供できる生産能力を有していません。しかし3年以内にそれができるような組織を構築しようと考えています。
中小規模の翻訳会社にとれば、20件程度なら高品質の翻訳を提供できていたが、100件ともなると目が届かなくなって低品質の翻訳が混ざってしまうことは、会社規模が大きくなる過程で避けられないことでしょう。しかし大手さんはこの過程を乗り切ったからこそ現在大手であります。
大手翻訳会社さんは「品質が悪い」と言われても切れることはありません。SNSにお客さんの悪口を書き込んだりしません。大人だからだと思います。これが大手さんの本当の実力です。
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