2018/04/25

12年前この募集広告から全てが始まった。


12年前、ジャパンタイムズにこの求人広告を見つけた。ある特許翻訳会社がフリーランス翻訳者を募集していた。僕は、履歴書と職務経歴書と、書いてないけど勝手にサンプルの翻訳を送った(なんとなく送った方が良いかなと思った)。運良く、採用されて副業をスタートした。3ヶ月後、僕は勤めていた特許事務所から解雇された。そして僕は、フリーランス翻訳者になった(それしか生活する方法がなかったので)。それ以降、毎月、特許事務所に勤めているときの3倍は翻訳することになった。特許事務所の翻訳者って楽だったなーと思った(これは僕の場合だけです)。あまりにも量が増えたので奥さんには勤めていた会社を辞めてもらって、僕の仕事を手伝ってもらうことにした。

この会社には大変お世話になった。翻訳だけで生活することがどれだけ大変かを教えていただいた。毎回ボロカス言われ続けた(人間、ボロカス言われないと成長しません)。3年ぐらいしたらピタッと仕事がなくなった。ネットで検索しても入居されているはずのビルには別の会社が入居していることが分かった。知らない間に廃業されたみたいだった。結構良い付き合いをさせていただいていると思ったが、知らない間に廃業していたのでそれほどの付き合いではないとこの翻訳会社は思ったのだろう。しかし廃業するのであれば廃業しますのでじゃよろしくみたいな知らせぐらいほしいと思った。

僕はフリーランスになってから翻訳イベントによく参加していた。でも一度もこの会社の関係者と出会うことはなかった。お中元とお歳暮はお贈りしたけど、訪問する機会にめぐまれなかった。とにかくものすごく癖が強い会社だったと記憶している。1月2日から業務を開始しているような会社だった。

僕は、このフリーランス時代を含めて、翻訳だけで生活するようになって12年になる。この会社がなければ今の僕はない。よって僕の会社もないと思う。今頃、僕はなにしてるだろうか?きっと翻訳の仕事はしてないだろうな。いつもお電話で発注してくださった方は、いまでもお元気にしてらっしゃったらいいのだけど。


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