数年前からある学校に対して集団トライアルのうちの1社としての参加させていただいている。なかなか合格者が出ない。受験いただいている方はプロの方ではない人も多いだろうから当然と言えば当然だと思う。書類選考時点で落ちてしまう方もいる。原因を書いてみたい。
1.書類不備タイプ
応募書類として、例えば、A,B,Cの3通が指定されているとする。しかしA,Bしか提出されない。こういう場合は、自動的に不合格になる。理由は、実ジョブをお願いしても納品時に納品物が揃わない可能性が高いから。
2.週末のみ仕事できますタイプ
現在、他社に勤めているので、平日は、数時間、週末は、1日中できますと言われても、翻訳時間はたかがしれている。平日(月~金)に2時間+週末に8時間✕2日(土、日)=26時間にしかならない。5営業日で1万ワードは翻訳できないと仕事にならない。こういう応募が続いたので「専業翻訳者」しか募集の対象ではないとしています。
3.現在より過去タイプ
社内スタッフの募集に限るのだが、今の会社からの給料と同額でないと困る、と言われても、翻訳会社という専門職の場合、過去の学歴とか職歴に対して給料が決まるのではなく、現在の翻訳力に対して給料が決まる。学校に通っているレベルでは、現在の勤め先と同額の給料というのは無理だと思う。そういう方には、転職はお勧めしない。社内スタッフに限った話ではなく、フリーランサーとしても現職と同額稼ぐのはかなり難しいと思う。
4.勘違いタイプ
「翻訳はまだ勉強中ですが、チェックならできます」と言われても、翻訳よりチェックの方が理解度は上でなければならないことをお分かりではない。恐らくこの方の「チェック」というのは、内容のチェックではなくて形式のチェック(数字とか、記号のチェック)のことをおっしゃっているのだと想像します。この程度の形式的なチェックは自動的にコンピュータが行うので、それだけをするという仕事はありません。誤解されている原因は、翻訳学校でちゃんと教えないからだと思う。
翻訳技術に加えて、このあたりの事実も学校で教えてあげるべきではないかと思う。翻訳会社のトライアルを受験するのであれば、就職活動、営業活動として認識するべきです。
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